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*今日は こんなこと あった*
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< 重力加速度 > 幸鷹×花梨(現代ED)


林檎は何故落下する?

それは万有引力だから。

「ニュートンって人、なんか頭にくる。」
物理の教科書を睨みながら、花梨さんがしみじみと言う。
今日は彼女に勉強を教えていて、教科書にニュートンは出てきていないけれど、運動方程式の説明をして。
ついでにちょっと逆二乗の法則を話してみたところで返ってきた答がそれだった。
「・・・とは何故?」
「私がこんな四苦八苦してる問題を、1+1は2だ当たり前だってかんじでささっと解いちゃうんだきっと。と思ったら、腹がたったんです。」
「なるほど。」
思わず笑ってしまった。そういう思考でご立腹ですか。
「ああいう人たちは、そういうことを考えるのが好きなんですよ。」
「だからって!」
ぐっ、と消しゴムを握り締めて、花梨さんが唸る。
「”2つの物体間は物体の質量に比例し、2物体間の距離の2乗に反比例する引力が作用する”を林檎を見て思いつくなんて。しかも、”力そのものは瞬間無限大の速度で伝わる”に結びつくなんて、もう普通じゃないーー!」
間違えた計算を、ごしごしと消しゴムで消しながら、文句を言う。
なかなか宿題が終わらないので、煮詰まっているらしい。
この問題が終わったら、一度、休憩を入れようか。
彼女が好きなケーキを、実はこっそり買ってある。
喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
私は、片手で頬杖をついて、隣りにいる彼女の横顔を眺める。
そうですね、確かに、ニュートンは凄いと思うし、花梨さんが物理が苦手で、その問題にてこずっているのもとてもよく解りますけれども。
あなたにとてもとても惹かれている私としては、そして、ほんの少し前まで幾多の恋敵たちと戦っていた身としては、素直に頷くわけにはいかないところです。
「あなたも”頭にくる人”ですよ、十分に。」
にこりと笑んで告げると、花梨さんが、え、と口を開けた。
「あ、あたまに、きます?私・・・?」
ショックなことを言われた、と、慄いて語尾が消えそうに聞いてくるので、
「嫌いという意味ではなくて。」
というと、あからさまにほっとした顔をした。
「だって、考えてみてください。」
耳元に、ねえ?と言い聞かせるように囁く。
「あなたは人間万有引力みたいな人ですからね。やっと勝ち残ったとはいえ、これからも引き寄せられてくる男たちがいるだろうことを思うと、私としては、面白くないなと思ってしまうわけですよ。」

惚れたもの負け。あなたの腕のなかに勝手に落ちた私ですけれども。


※ 林檎が美味しい季節になりました。

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< at hand > 翡翠×花梨(京)


「大丈夫だよ、神子殿。」

震える肩に手を置いて、少しだけ逡巡したあと、抱き寄せる。
驚いてびくりと揺らした背を、宥めるようにぽんぽんと叩く。親が子供をあやすように。
花梨の身体から、ふうっと力が抜けた。ほっとしたのだろう。

「有難うございます、翡翠さん。」

涙声でお礼を言う君。
律儀だね。本当に。
私に礼なんて要らないんだよと何度言ったら解ってくれるのかな。
私は、自分がそうしようと思ったこと以外しないんだから。好きでやっているんだから。
・・・と、そう、また言ったところで、やはり返ってくるのは礼の言葉に違いない。
だから、告げるかわりに、抱いている手の力を強くする。

安心していい。私に出来ることならなんでもしてあげる。
失ってしまったら二度と返って来ないと君は心配しているけれど、そんなことはないよ。違う手段で戻ってくるものはある。
君が望むなら証明してあげようか。

君は思っているね。大切なものは一つしか持てないって。
違うよ。
欲張ればいくつだって持てる。
なんのために手が二つついてると思うの?
同時に訪れた”大切”をどちらも掴むためだろう?

ほら、手を出して。

まずは私を君にあげるから。


※貰っちゃえー花梨ちゃん。
< 溺れる > 花梨←翡翠(京)


「愛しくて 愛しくて」

呟いた言葉が風に乗って吹き飛ぶ。
なんて軽さ。

「嫌い 嫌い 大嫌い」

なのに正反対の意味を表す言葉は、君に言われたことを想像するだけで胸にひどく痛く響いて、

「・・・・嫌い、か」

簡単に私を殺してしまうよ。

手足を広げ波に揺られ、仰向くと水のなかを泳ぐ魚の腹が見える。そんな深海に身を沈めたときの感覚に似ている。

海に抱かれているように君の慈悲に溺れ私は窒息しよう。


※ 自分が望んだ束縛の心地よさ


朝陽の色にかわっていく地平線(建物ばかりですが)は綺麗なもんですー。
ここのところ旦那の早朝出勤が続いているので朝は4時半起きです。5時半に家を出て行くので。
夏に比べて夜明けが少しずつ遅くなってきている実感。この写真はジャスト5時半。
< ピザまん以上イチゴショート以下 > 花梨←勝真(+男7人+女1人/学園パラレル)


TVのなかで男が女に、
「チョコと俺とどっちが好きなんだよ!」
と詰め寄っている。
俺は、凄いな、と思う。
どっちがなんて大マジで聞いて、もし自分じゃないほうを選ばれたらどうするんだろうなこの男は。
俺だったら聞けない。
もしも聞くとしても、どうしたって俺のほうが勝ってるとしか思えないモノを比較ブツに選ぶ。
たとえば、そう、今俺の手の中にある肉まん。これと俺と、ってくらいのそういう程度の。
ここでイチゴショートなんて出したら、花梨は一瞬言葉に詰まると思う。幸せそうに食べているのを見たことがあるから。
俺はその一瞬さえ耐えられない。
かといっていかにも嫌いそうな毛虫とかなんとかを引き合いに出したら、俺って答えてもらいたいのがばればれでみっともないしな。

「えっ・・・・そ、それは、」

TVのなかの女が、半泣きで男とチョコを見比べて口ごもっている。
ところで、チョコというのは犬だ。
焦茶色の毛並のダックスフント。
女が長年ペットというより家族のように飼ってきた大事な相手だ。
それと恋人とを比べてどっちが好きか答えろなんて追求されて、女は本気で困っている。
答えられない女の態度に、男の顔が嫉妬で歪む。
ほらみろ、言わんこっちゃない。馬鹿だな、おまえマゾか。
呆れながら、肉まんの最後の一口を口に放り込む。
花梨は、餡まんより肉まんのほうが好きらしい。肉まんよりもピザまんのがもっと好きらしい。俺のことはたぶんそのピザまんよりは好きだと思うけれど、さて、比較物のギリギリ上限はどのあたりだろう?
「人間はあいつらを除外して、だ。具体的に・・・」
ライバルたちの顔を思い浮かべて溜息をつき、あの8人と自分への好意を比べられるほど勇気がない俺は、男7人+妹を対象物圏内から弾きとばして、なんだろうとあれこれ考えてみる。
「チーズケーキとか?・・・って。」
食い物しか思い浮かばない自分が、逃げているようで情けなく、自分で自分の言った言葉に少々凹んでまた息を吐いた。


※ すみません私が夜中夜食に餡まん食べていて思いつきました。
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